人間至上主義の時代は終わりデータ至上主義

『ホモ・デウス』下巻は、現代社会の「取り決め」から考察をはじめる。 科学革命の先に人間至上主義が登場するが、テクノロジーの発展により、システムがおすすめの商品や健康管理のアドバイスをするだけでなく、思考過程や判断にまで介入するようになるだろう。こうして人間至上主義は終焉を迎え、ハラリさんはデータ至上主義の時代に入ると予言する。 データ駆動型のシステム設計を旨としている私にとっては、ハラリさんの考え方に共感を覚えるが、データ至上主義社会は修羅の世界である。自由主義と個人主義を経験していない人間は、たちまちシステムに取り込まれてしまうだろう。 本書のタイトル「ホモ・デウス」が何を指すのが消化不良の感は拭えないが、アーサー・C・クラークのSF『幼年期の終わり』の最後を連想した――さて、私たちはどこから来て、どこへ行くのだろうか。