5月下旬に登場したばかりの、1984年生まれの作者による小説だが…少し先に「名作!!」と語られているのではないかと思わせるものが在った。広く御薦めしたい感の一冊との出会いを喜んでいる… 不正や暴力が横行するようになっていた戦国乱世に松永久秀は生を受けた…不運な境遇の中で三好元長に巡り会う。そして三好元長が想う新たな世という想いに強く共鳴する。三好元長が排されてしまった後、三好家に仕えるに至り、家中で重きを為すようになって行く。そして大和に多聞山城を築き、織田信長麾下に入って行く。 そうした歩みが実に活き活きと綴られている本作…本当に引き込まれる。神仏を度外視するような考えに至る「過ぎるまでの合理性」というようなモノが吐露されるが、そういう辺りにも酷く惹かれる… 「人がなせぬ大悪を一生の内に三つもやってのけた」と評される出来事の真相はどういうことであったのか?勿論、本当の事は判り悪いのだが…「梟雄」と呼ばれる「悪役的イメージ」に「収まり切らない何か」というのが溢れているのが本作だ。 素早く読了に至った後、本の分厚さを視て苦笑いしてしまっている。本当に一旦紐解き始めれば「分厚さ」が全く気にならず、頁を繰る手が停まらなくなる。広く御薦めしたい!!