短編集は、どれも秀作揃い

太宰といえば長編小説の名が思い浮かぶでしょうが、多くの短編集を読んでもらいたいです。時代を超えた、人の心模様、それを描くのに抜きん出た才能があった作家は、漱石と太宰が筆頭にあげられます。 よく、「太宰に熱中するのは、若い頃のいわばハシカみたいなものさ…」と、のたまう大人がいます。常套句ですね。そう言う人は、人生をとにもかくにも乗り切って(一応)安定した生活を日々過ごしている人です。 「太宰なんて、女々しい作家って大嫌い」。これは女性に多いですね。弱音をはくのを潔しとしない。頑張るのを信念としているゆえ、そうした感想しか持てないのかどうか。 けれど長い人生、自分の力では及ばぬ過酷な事態に直面するもの。今まさにそうですよね。自分や他者の心に、どうしようもなく鈍感になれない人こそ、太宰を読んでもらいたいです。