手持ちの文庫本が古くなって買い直しました。今からおよそ百年前、岩手県遠野地方に伝わる民間伝承を、フィールドワークの取材のうえ、当著が生まれました。旧文体なので、若い人には読みにくくピンとこないかもしれませんね。植村花菜、「トイレの神様」。おばあちゃんが、キレイな女神様がおるんやで~。って言っていましたね。それですよ。祖母はその母から、またその母から言い伝えられてきた事なんです。パワースポット。これもまた古い歴史から生まれたものです。そう考えたら、この「遠野物語」は、カビの生えたような古くさい作り話ではないと、新鮮に映るのではないでしょうか。
「時間は実存するか」、「ウィトゲンシュタイン」を読んでから当著を読みました。各章が独立していますから、難解とはいえ、注意深く読んでいけば内容はおぼろげながら理解できます。少なくとも、ハイデガー「存在と時間」(むろん日本語訳)を読むよりは、です。ただし、哲学とは門外漢の私にしてみれば、この努力と時間を、世界の名著、「存在と時間」の原 佑先生訳から、細谷先生の訳で読み返して、木田先生とか、M・ゲェルヴェンの「註解」とか、数多ある解説書のほうに向けたほうが良かったような…、気がしないでもありません。(笑)
全集があるので、当著はたぶん3~4回は読んでいるはずです。読むたびに違った読後感がえられます。「人間失格」より、主人公の女性に感情移入できました。つまらないと思ってみても、捨てないで気が向いた時に読むといいです。太宰=暗い、だけではないです。
太宰といえば長編小説の名が思い浮かぶでしょうが、多くの短編集を読んでもらいたいです。時代を超えた、人の心模様、それを描くのに抜きん出た才能があった作家は、漱石と太宰が筆頭にあげられます。 よく、「太宰に熱中するのは、若い頃のいわばハシカみたいなものさ…」と、のたまう大人がいます。常套句ですね。そう言う人は、人生をとにもかくにも乗り切って(一応)安定した生活を日々過ごしている人です。 「太宰なんて、女々しい作家って大嫌い」。これは女性に多いですね。弱音をはくのを潔しとしない。頑張るのを信念としているゆえ、そうした感想しか持てないのかどうか。 けれど長い人生、自分の力では及ばぬ過酷な事態に直面するもの。今まさにそうですよね。自分や他者の心に、どうしようもなく鈍感になれない人こそ、太宰を読んでもらいたいです。
太宰の短編集、「走れメロス」、「きりぎりす」などと新潮文庫で揃えています。改訂で活字が大きくなって読みやすくなったのは嬉しいですね。やはり押さえておきたい一冊です。
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遠野物語
手持ちの文庫本が古くなって買い直しました。今からおよそ百年前、岩手県遠野地方に伝わる民間伝承を、フィールドワークの取材のうえ、当著が生まれました。旧文体なので、若い人には読みにくくピンとこないかもしれませんね。植村花菜、「トイレの神様」。おばあちゃんが、キレイな女神様がおるんやで~。って言っていましたね。それですよ。祖母はその母から、またその母から言い伝えられてきた事なんです。パワースポット。これもまた古い歴史から生まれたものです。そう考えたら、この「遠野物語」は、カビの生えたような古くさい作り話ではないと、新鮮に映るのではないでしょうか。
時間と絶対と相対と
「時間は実存するか」、「ウィトゲンシュタイン」を読んでから当著を読みました。各章が独立していますから、難解とはいえ、注意深く読んでいけば内容はおぼろげながら理解できます。少なくとも、ハイデガー「存在と時間」(むろん日本語訳)を読むよりは、です。ただし、哲学とは門外漢の私にしてみれば、この努力と時間を、世界の名著、「存在と時間」の原 佑先生訳から、細谷先生の訳で読み返して、木田先生とか、M・ゲェルヴェンの「註解」とか、数多ある解説書のほうに向けたほうが良かったような…、気がしないでもありません。(笑)
斜陽改版
全集があるので、当著はたぶん3~4回は読んでいるはずです。読むたびに違った読後感がえられます。「人間失格」より、主人公の女性に感情移入できました。つまらないと思ってみても、捨てないで気が向いた時に読むといいです。太宰=暗い、だけではないです。
きりぎりす改版
太宰といえば長編小説の名が思い浮かぶでしょうが、多くの短編集を読んでもらいたいです。時代を超えた、人の心模様、それを描くのに抜きん出た才能があった作家は、漱石と太宰が筆頭にあげられます。 よく、「太宰に熱中するのは、若い頃のいわばハシカみたいなものさ…」と、のたまう大人がいます。常套句ですね。そう言う人は、人生をとにもかくにも乗り切って(一応)安定した生活を日々過ごしている人です。 「太宰なんて、女々しい作家って大嫌い」。これは女性に多いですね。弱音をはくのを潔しとしない。頑張るのを信念としているゆえ、そうした感想しか持てないのかどうか。 けれど長い人生、自分の力では及ばぬ過酷な事態に直面するもの。今まさにそうですよね。自分や他者の心に、どうしようもなく鈍感になれない人こそ、太宰を読んでもらいたいです。
ろまん燈籠改版
太宰の短編集、「走れメロス」、「きりぎりす」などと新潮文庫で揃えています。改訂で活字が大きくなって読みやすくなったのは嬉しいですね。やはり押さえておきたい一冊です。