手持ちの文庫本が古くなって買い直しました。今からおよそ百年前、岩手県遠野地方に伝わる民間伝承を、フィールドワークの取材のうえ、当著が生まれました。旧文体なので、若い人には読みにくくピンとこないかもしれませんね。植村花菜、「トイレの神様」。おばあちゃんが、キレイな女神様がおるんやで~。って言っていましたね。それですよ。祖母はその母から、またその母から言い伝えられてきた事なんです。パワースポット。これもまた古い歴史から生まれたものです。そう考えたら、この「遠野物語」は、カビの生えたような古くさい作り話ではないと、新鮮に映るのではないでしょうか。
全集があるので、当著はたぶん3~4回は読んでいるはずです。読むたびに違った読後感がえられます。「人間失格」より、主人公の女性に感情移入できました。つまらないと思ってみても、捨てないで気が向いた時に読むといいです。太宰=暗い、だけではないです。
太宰といえば長編小説の名が思い浮かぶでしょうが、多くの短編集を読んでもらいたいです。時代を超えた、人の心模様、それを描くのに抜きん出た才能があった作家は、漱石と太宰が筆頭にあげられます。 よく、「太宰に熱中するのは、若い頃のいわばハシカみたいなものさ…」と、のたまう大人がいます。常套句ですね。そう言う人は、人生をとにもかくにも乗り切って(一応)安定した生活を日々過ごしている人です。 「太宰なんて、女々しい作家って大嫌い」。これは女性に多いですね。弱音をはくのを潔しとしない。頑張るのを信念としているゆえ、そうした感想しか持てないのかどうか。 けれど長い人生、自分の力では及ばぬ過酷な事態に直面するもの。今まさにそうですよね。自分や他者の心に、どうしようもなく鈍感になれない人こそ、太宰を読んでもらいたいです。
太宰の短編集、「走れメロス」、「きりぎりす」などと新潮文庫で揃えています。改訂で活字が大きくなって読みやすくなったのは嬉しいですね。やはり押さえておきたい一冊です。
意識とは。自己とは。世界とは何かを問いかけてきたのが人類の歴史でした。脳科学、認知科学によって一つの結論に至りました。 意識もまた脳内で作られたシステムだと。自分を自分たらしめる自我も存在しない。それらは神経シナプスの働きなのだと。ヒトという有機生命体を解剖すると、CPUやメモリなんかと同じ機械仕組みなんですって。 すべて万事、科学で説明できて克服できると言いたい訳です。 鬱病患者にとってユメの新薬のSSRIが開発されました。ところが副作用で、薬を飲んだ人から自殺者が多数でました。こう言うでしょう。「ほほーっ、それは興味深いね」。 彼ら科学者は、みずから作った薬で人が死んでも研究資料にすぎないんですよ。世の中。戦争、災害、餓え、貧困、どうなろうが。エアコンの効いた清潔なラボで、研究に没頭できればいいわけですよ。科学還元主義者にとってはね。 とても参考になるだろう(これも脳という機械の産物なんですがね)人のために五つ星。個人的には後味の悪さでトンカチで星を叩きつぶして星一つ。 最低。ケッ!
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遠野物語
手持ちの文庫本が古くなって買い直しました。今からおよそ百年前、岩手県遠野地方に伝わる民間伝承を、フィールドワークの取材のうえ、当著が生まれました。旧文体なので、若い人には読みにくくピンとこないかもしれませんね。植村花菜、「トイレの神様」。おばあちゃんが、キレイな女神様がおるんやで~。って言っていましたね。それですよ。祖母はその母から、またその母から言い伝えられてきた事なんです。パワースポット。これもまた古い歴史から生まれたものです。そう考えたら、この「遠野物語」は、カビの生えたような古くさい作り話ではないと、新鮮に映るのではないでしょうか。
斜陽改版
全集があるので、当著はたぶん3~4回は読んでいるはずです。読むたびに違った読後感がえられます。「人間失格」より、主人公の女性に感情移入できました。つまらないと思ってみても、捨てないで気が向いた時に読むといいです。太宰=暗い、だけではないです。
きりぎりす改版
太宰といえば長編小説の名が思い浮かぶでしょうが、多くの短編集を読んでもらいたいです。時代を超えた、人の心模様、それを描くのに抜きん出た才能があった作家は、漱石と太宰が筆頭にあげられます。 よく、「太宰に熱中するのは、若い頃のいわばハシカみたいなものさ…」と、のたまう大人がいます。常套句ですね。そう言う人は、人生をとにもかくにも乗り切って(一応)安定した生活を日々過ごしている人です。 「太宰なんて、女々しい作家って大嫌い」。これは女性に多いですね。弱音をはくのを潔しとしない。頑張るのを信念としているゆえ、そうした感想しか持てないのかどうか。 けれど長い人生、自分の力では及ばぬ過酷な事態に直面するもの。今まさにそうですよね。自分や他者の心に、どうしようもなく鈍感になれない人こそ、太宰を読んでもらいたいです。
ろまん燈籠改版
太宰の短編集、「走れメロス」、「きりぎりす」などと新潮文庫で揃えています。改訂で活字が大きくなって読みやすくなったのは嬉しいですね。やはり押さえておきたい一冊です。
意識
意識とは。自己とは。世界とは何かを問いかけてきたのが人類の歴史でした。脳科学、認知科学によって一つの結論に至りました。 意識もまた脳内で作られたシステムだと。自分を自分たらしめる自我も存在しない。それらは神経シナプスの働きなのだと。ヒトという有機生命体を解剖すると、CPUやメモリなんかと同じ機械仕組みなんですって。 すべて万事、科学で説明できて克服できると言いたい訳です。 鬱病患者にとってユメの新薬のSSRIが開発されました。ところが副作用で、薬を飲んだ人から自殺者が多数でました。こう言うでしょう。「ほほーっ、それは興味深いね」。 彼ら科学者は、みずから作った薬で人が死んでも研究資料にすぎないんですよ。世の中。戦争、災害、餓え、貧困、どうなろうが。エアコンの効いた清潔なラボで、研究に没頭できればいいわけですよ。科学還元主義者にとってはね。 とても参考になるだろう(これも脳という機械の産物なんですがね)人のために五つ星。個人的には後味の悪さでトンカチで星を叩きつぶして星一つ。 最低。ケッ!