先ずもって刺激的なタイトル。 帯には、”本書は、これから社会に旅立つ、あるいは旅立ったばかりの若者が、非常で残酷な日本社会を生き抜くための、「ゲリラ戦」のすすめである”とある。 ヤバい。完全に誤爆である。40代半ばの窓際のおっさんが手にしてしまった。 ・・・ しかしこの本は寧ろ、少し年のいった人の方がよく理解できると思う。誤解を招くかもしれない冷徹すぎる表現もある。その点で、人を選ぶ本だと言ってもいいかもしれない。 ・・・ 誤解を恐れずに言えば、この本は変化の勧めであり、脱コモディティ化・差別化への勧めである。 そのベースにあるのは新自由主義的な資本主義の極致であり、これを認めることである(筆者も主張するように決して資本主義がベストと言っているのではない)。結果、必然的に起こる人材のコモディティ化を想定している。例えばMBA、英語スピーカー、資格、どれも成り手が殺到した途端コモディティ化する。こうしたコモディティ化に負けないような独自性・Add-valueが必要になる。 ・・・ 私は筆者の意見にはおおむね賛成である。世の中はグローバル化しつつあり、競争相手は日本人だけではない。同じIT技術者ならば英語が喋れて人件費が安いインド人を雇うだろうし、同じ日本人でも残業(時にはサービス残業)を喜んでするような人の方が雇われやすいし昇進しやすいかもしれない。そのような厳しい社会の中で生きていくには、筆者が言うように徹底的に考え、変化に対応し、トレンドを読める人間になる以外に道はないのかもしれない。 ・・・ 他方で、私は思う。生き抜くことだけを考えて日々を送り、世の中の変化やトレンドを読むことに注力し、自分本位の考えや思いを失っていくならどうか。そんな人生は空虚ではなかろうか。もちろん社会は厳しいからそうでなくては生きていけないという反論はあるだろう。故に、やりたい事・好きな事・自分の志向も意識しつつ筆者の意見を取り入れていくのが良いのではないかと考えた。そうした個人の志向性を伸ばすとか育てる視点は本書にはないのは少し残念ではある。