期待以上に面白かった

著者は、ロシア語同時通訳をはっていた「米原万里」さん。なんで、この本を注文したのかは、霧のかなたとなってしまったが、読中の感覚は『面白い』の一語に尽きる。一般的には、1ダースは12個、しかし魔女の世界では1ダースは13個という解説を行うプロローグからして面白い。 第1章のシベリア抑留軍人が読んだ川柳「オッパイが先に出てくる街の角」には思わず笑いと涙がこぼれた。私の父もシベリアに4年間抑留された経験の持ち主だが、こんな話を一度も聞いたことがない。父もそんな風景を見ていてくれたのならよかったと思うが、今となっては確認するすべもない。こんな話題を酒のつまみにしたかったものだとしみじみ思う。 第3章の言葉の呪縛力、ここでもアメリカという国の性格の描写にまさにそうだと、言いたい自分がいる。 毛色の変わった文庫でお勧めできる。いつか、この本で語り合える友が出現することを切に希望します。