聞き手がおちかから富次郎に代わった新章・変わり百物語。初めは富次郎の幼なじみのお話。ほくろに身を変えた怪異。次には嫁いびりをする姑の怨念。人の業が作り出す恐ろしい話は、表題作で爆発的に結実する。「黒武御神火御殿」は、ゆうに一冊の長編になるボリューム。キリシタンの御殿かと思いきや、一神教の神に裏切られたと思い込んだ侍の怨念が作り出したものだった。おちかと富次郎の前に現れたメフィストフェレスのような男が拵えた御殿かと思っていたのだが……それは後の話に出てくるのだろう。