ソマリランドという国名からソマリアという内乱で不安定な国を真っ先に思い浮かべた。著者が、日本はもちろん世界でも認知度が低いソマリランドを取材対象として現地へ乗り込むノンフィクションは、以前読んだ『アヘン王国潜入記』を彷彿とさせる素晴らしい仕上がりになっている。遊牧民の血が流れるソマリ人の思考である個人主義と氏族主義が、奇跡の民主的国家の成立に寄与していると感じた。日本では真似の出来ないやり方だ。西洋の真似をして近代化を成し遂げたが、個人主義の根付かない日本人に、独自の民主的国家を運営できるのだろうか?