宗教法人が所有するマンションの一室で4人の遺体が発見された。僧籍を持つ山吹が活躍する本書は、人の心の弱さと、宗教に対するフラットな視点という二つの柱があったように思えた。塚原刑事、山吹、そして容疑者達の、宗教というものに対する台詞回しが興味深かった。曰く、元始宗教と科学は一体だったが、科学の発達によって宗教は取り残された(科学の残滓)。曰く、聖書に登場する数字の秘密=数秘学。前巻『赤の調査ファイル』に続く村上貴史氏の解説に出てくる本も読みたくなった。