これまでも、ダーウィン進化論信奉者であるリチャード・ドーキンスがいわゆる創造論に異を唱えることはあったが、本著はまるまる一冊脱宗教本であり、無神論のすすめと無神論者へのエールなのである。宗教対立による戦争が絶えない昨今であるがドーキンスは「あらゆる宗教が互いに尊重し合い認め合う」という立場さえとらず、宗教そのものが諸悪の根源であることを理詰めで解説する。神が存在しない理由、宗教と道徳は別であること、宗教の最大の敵は理性であること、子供が自分自身で判断できるようになるまで宗教的な教育をすべきでないことを説く。宗教的中庸な穏健派であっても、それが原理主義者をのさばらせてしまう土壌を形成してしまう。その結果、政教分離の下建国したアメリカがいまや世界でもっとも原理主義的なキリスト教国になってしまっている(これをドーキンスは「アメリカのタリバン」と呼んでいる)。ジョン・レノンとともに、宗教のない世界を想像(イマジン)してみてほしい。