40歳以上のすべての方へ

50歳を目前にして、記憶力や集中力が衰えてきた。仕事のスタイルを変えるべきかと悩んでいたのだが、5歳年下の羽生善治さんがどう考えているのかを学ぶことにした。棋士という仕事は、私よりはるかに厳しい頭脳労働だと感じたからである。 羽生さんは、「覚えている必要がなくなったものはどんどん忘れていかないと、新しいものが入らない。そういう意味で忘れるようにしています」(33ページ)と言う。その通りである。さらに、「年齢的に記憶力が落ちたところは、『覚える』ことを『思い出す』ことにシフトすれば対応できる」とアドバイスしてくれる。なるほど。 その一方で、「年齢を重ねると、知らないうちにブレーキを踏んでいることが多いので、意識してアクセルを強く踏み込むということをしなければなりません。そうしないと、知らないうちに減速してしまう」(65ページ)とも書いている。そして、「『誰もずっと安全な場所にい続けることはできない』と考えれば、前を向くしか方法はなくなります」(124ページ)とアドバイスする。 歳をとると、たしかに「不安に襲われた時に、自信のある人はそこで動じない。自分のやり方を信じて、方向を間違わないで、そのまま進んでいけます」(178ページ)ということはある。 「山ほどある情報のなかから、自分に必要な情報を得るためには、『選ぶ』よりも『いかに捨てるか』のほうが重要」(105ページ)という。私もネットの海に溺れないようにしたい。 本書を読み終わって、安心して50歳を迎えることができそうだ。