明治29年、昭和8年の三陸沖地震に起因する津波と、昭和35年のチリ地震に起因する遠地津波について、学術論文のように時系列で系統だった記述ではないが、現地のフィールドワークに基づいた著者の文章は心に響くものがある。津波で被災しても、先祖伝来の住み慣れた土地を離れられない人情。海岸付近の土地の嵩上げは賛否両論あるが、それも津波から守るという意味ではありだったのだろう。1970年に上梓された著作の文庫版は、14年後の文庫化あとがき、H16(2004)年の再文庫化あとがきが収録されている。