余韻に浸る

余韻の文学である。探偵役の瀬尾は鮮やかに謎を解き明かすけれども、それでその後どうなったのかは、語られない。語らないことで、より強く読者の心に残る。鮮やかにと書いたが、2・3疑問が残る点はある。その糸電話は本当に機能するのかとか、文化の日に図書館が休館するのかなど。しかし、あまり細かいことにこだわると、この作品のメルヘンな部分を味わえないので、気にしないでおこう。有栖川有栖の解説が素晴らしい。