アヘン王国潜入記

自動小銃を肩にしたワ人のカバーとは裏腹に、ゲリラや軍事色の薄いレポートなのだが、著者のサラリーマン・ジャーナリストとは一線を画した長期滞在レポートは説得力がある。そして阿片戦争やビルマ・ミャンマーの呼称に関する考察など、体験談にとどまらない筆致に好感を抱いた。ワ州という耳慣れない辺境の集落での暮らしが手に取るように伝わり、コンゴ(幻獣ムベンベを追え)でも罹患しなかったマラリアで死にはぐったり、実に濃い7か月だったろう。政治的に立ち入ることが困難なワ州になった著者の気持ちを思うと悲しみはひとしおだ。