新・観光立国論

「私がこれから書くことは日本人にとって面白くない指摘が多く時に腹立たしい表現になるかもしれない」旨の断りが冒頭から何度も繰り返されており作者が日本を見下しているつもりはない、ということがわかったので厳しい提言も受け入れることができた。 基本的には作者の言う通りなのだ。 「日本は観光をもっともっと産業として意識し高めていかなければならない」日本はかつて技術大国であったのでサービス業が軽んじられることがある。これは言い過ぎかもしれないが少なくとも 「観光業を日本の一大産業に」しよう、出来るとという考え方は浸透していないのではなかろうか。 日本の文化財は「見せて差し上げる」ものであって「観る人が楽しめるように工夫する」ものではないような気がする。 作者が繰り返して述べる「お金を落としてもらうためのコンテンツ」という考え方は不謹慎な感じがする。それは「おもてなし」という考え方に通じるかもしれない。 そのくせ文化財を護るという発想に欠けていることも確かだ。 でも本当は日本は観光大国になるためのコンテンツを充分に持った国だ。傾きかけたこの国を再び輝かせることができる魅力的な産業だと再認識させてくれた一冊となった。