幼女を殺害した16歳の少年の実名が暴かれ、その犯人と同姓同名の人物たちが次々と登場し、その名前のせいで人生を狂わされたという理由で「同姓同名被害者の会」を結成し、真犯人を突き止めようとする。二重三重にもひねりが加わり複雑な展開で読者を翻弄する反則すれすれの荒業がさく裂する。途中で何度も元に戻って読み返した。いっそのこと裁判の場面も入れて、検事も弁護士も同姓同名だったらもっと訳が分からなかったかもしれない。内容的には人の恨みの怖さや、匿名SNSでの発言の持つ、扇動性や同調圧力の危険性に重点が置かれている。私自身、祖父から同姓の歴史上の人物と同じ名前を付けられたために、嫌な思い出があるので身につまされた部分もあった。