済州島4・3事件

済州島4・3事件で伯父の消息を探し求めた、母と娘とその友人の物語です。会話に鍵括弧を使わない独特の文体はどのような狙いがあるのかは分かりませんが、読みづらくもなく、却って文章が詩的に感じました。済州島事件については殆ど知識がありませんでしたが、本文の証言(訳者あとがきによると一部、ハン・ガンの創作だそうですが)を読むと如何に凄惨な事件だったかが分かります。文体が読みやすく描写の細密さ、物語の展開の面白さで久々に小説でのめり込みました。訳者あとがきも事件の詳細と物語の結びつきを理解する上で必読です。