もう1年半にもなるか?「ウイルス」なる語句が耳目に触れずに過ぎる一日は望み悪いような感じが続いている。“感染症”の問題という“事情”に「覆い尽されている?」という感で、「ウイルス」なる語句は連日連夜のように連呼されている。が…「ウイルス」というものが「何?」とか「如何いうモノ?」という問いを発してみれば、「知らない…判らない…」ということになるのではないだろうか? 本書はそういう世情の中、「ウイルス」というのがどのようなモノなのか、最近の“事情”の下で論じられている事柄の要点、そして「ウイルス」の研究を通じて知られているという「おどろき」と呼ぶべき知見が紹介されている。 「ウイルス」に関して、著者は表意文字である漢字を用いる中国の表現を借りて「病毒」と言われていることを紹介している。一般に病気の原因となる「ウイルス」が在るのだが、その限りでもないモノも存在し、そして人間をも含む「動物の進化」という中で一定の役目も担っていたと見受けられるということが本書で詳しく紹介されている。 著者の「ウイルス」の研究は「獣医学」から入っているということだ。中国で「病毒」と言われている「ウイルス」であるが、例えば馬には馬の、猫には猫の、牛には牛の、鶏には鶏の各々の病気をもたらす「ウイルス」が在る。そして人間の病気をもたらす「ウイルス」も在る。「医学」の研究者が扱う人間の病気に関連する「ウイルス」よりも、「獣医学」の研究者が扱う様々な動物の「ウイルス」は圧倒的に種類が多いということになる。その圧倒的に種類が多い「動物のウイルス」が、何時の間にか「人間のウイルス」になって行くというのが、「新たに流行…」ということになって警戒される“感染症”の原因となるモノなのだそうだ。 そういう「新しい“感染症”とは?」への回答に加え、本書には「“感染症”に対するワクチンとはどういうモノか?」という内容も入っている。最近は「ウイルス」と同時に「ワクチン接種」というような表現も連日のように耳目に触れる。そういう意味で「なるほど!」と蒙を啓く内容だった。 広く御薦めしたい一冊!