ずっと手元に置いておきたい名作

昔から素晴らしい名作を生み出している福音館書店の「世界傑作童話シリーズ」の中の一冊で、原作はイギリスBBCラジオ放送で定期的に放送されている、子ども向け名作選用に書かれた物語です。 本のサイズは、縦・約21cm x 横・約19cm で、とても読みやすいサイズです。 絵はフワフワと温かなタッチで、毛並みの不揃いに乱れた場面や、背中を丸めてお爺さんと一緒に暖炉の前で暖を取る風景などは、まるで本物の黒ねこが目の前にいるようです。 雨が降りしきる寒い夜、痩せ衰えて路頭を放浪していた小さな黒ねこと、その日に食べて行くことも精一杯のお爺さんとの出会いから、物語は始まります。 痩せたかわいそうな黒ねこに、優しいお爺さんは、大切にしていた食べ物をすべて与え、大切にしていた薪をぜんぶ暖炉に入れ、ずぶ濡れで冷え切った黒ねこを暖めてあげます。黒ねこは元気を取り戻し、あくる日の朝、お爺さんの前から姿を消してしまいます。 「おじいさん、どうしてわたしをおいだしてしまわなかったのですか?」 幼少期に何度も読んだ、新美南吉さんの代表作「ごんぎつね」を思い出しました。飽食の今の時代に、本当に大事なものは何か、年齢と共に大切な心を失ってはいないか、深く考えさせられながら読みました。子供さんだけでなく、大人へのプレゼントにも良いと思います。 猫ちゃんと暮らしているだけでなく、動物がお好きなすべての方に読んで欲しいと思います。