いやー、もうホント凄いとしか言い様がないです。 解説には、これはこの後の作品の習作であるとありますが、それどころではないと思う。 並みの作家の傑作レベルだと感じました。 「二百十日」はあまりに短いので、確かに習作という感じはありますが、世間に対する漱石の所信表明というか、対決姿勢というか、兎に角短いながらも熱い作品です。 「野分」は、ホントに文句なく素晴らしい。 クライマックスの道也先生の演説には鳥肌が立ちました。 訳の分からん占い紛いより、よっぽど生き方の指標を明確に提示していると思う。 ただそれだけでは説教臭くなるところですが、「猫」で見られたようなユーモアや「草枕」的な美的描写が間に入るので、読んでいるうちに自然と漱石の考えに触れられます。 この匙加減が見事。