大きな流れ

この作家さんは、おそらく毎巻、前巻とは異なる明確なコンセプトを定めて執筆している印象です。 今回もがらりと雰囲気を変えてやってきました。 前巻までは、憑き物や障り自身に焦点を当ててつつ、異なる世界観を一種絵画的ともいえる鮮やかさで描き出していたもの。 今回は、その間で随所にほのめかされてきた42歳の宿命について、いよいよ大きな流れとしてくみこまれています。というわけで、春菜の心中・心情の描写の比重が大きいです。 そのためか、憑き物の描写の方はちょっと薄い印象です。 大きな流れをおりこみつつも、いかに毎巻の中で登場する憑き物物語の濃度を上げていくか、といったところが課題となっていく予感がします。