著者の「キリスト教思想への招待」を読みキリスト教思想の重要な点を再認識させられた。特に第1章の感謝、謙虚に関して話を進めた「人間は被造物」は大変面白く考えさせられた。他の著作も読んでみたいと手にしたのが、この「イエスという男」だった。この本で、初めてイエスの言葉に意味や姿を目のあたりにした様で一気に読めた。今まで本で読んでいたイエスは何か統一性がなく、不自然に感じていたが、それを多くの点で解決できた。しかし、逆説的反抗者の面がよく出来ているため、他の面でのイエスが弱すぎて、再びイエスの姿がぼやけてしまうところがあります(これはそこまで聖書が書いていないということかもしれませんが)。時代背景を丁寧に描きだし、改竄、捏造された部分が多いとされる福音書から、イエスが本当に言ったであろう言葉を精製していくことは大変な労力であったと思います。ぜひ、一読されることを勧めます。