古今東西の様々な研究成果も踏まえながら、判り易く「約千年もの期間に亘る興亡」の物語が説かれた「新書らしい」という感の面白い一冊であった。
ビザンツ帝国というモノは、アジアでも欧州でもなく、古典古代の帝国でも近代の帝国でもない。永い人類の歴史の中で、相当の長さで、一定の価値観のようなモノを受継ごうとしていて、やがて退場したという存在だ。
「奈良時代から鎌倉時代まで」というような次元の永い経過なので、世の中の様子はドンドンと大きく変わっていて、時代毎に様々な対応は求められ、実際にそうしながら、次第に周辺勢力に蚕食されて行ったビザンツ帝国ではある。が、歴代の皇帝達を核に「受継ごうとしたモノ」が何だったのか?
そういうような「考える材料」ともなり得る内容だが、他方で、単純に「物語」として面白いかもしれない内容が多かったと思う。
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