ひたすら健気な受けに、涙…。

2005年作品の文庫化に書き下ろしを加えた4編。 タイトル通りに幼馴染みの二人の恋物語なんですが、受けキャラが知的な障害を持つ設定なので、差別や偏見シーンなどがあります。なのでちょっとデリケートというか、好みが分かれるかもしれません…。 高校3年生になった受けは、子供の心のまま大人になり、卒業後の就職さえ決まらない状態。攻めの方は成績優秀で、大人になっていく自分と、「好きだよ」と子供の瞳のまま純粋な思慕を寄せてくる受けに感じる劣情が抑えきれず、罪悪感に苛まれていた。やがて攻めは東京の大学に進学して、地元を離れ受けを切り捨ててゆく。何が起きたのか分からない受けは攻めを待ち続けて5年半の月日が流れた。嫌われたのだと思っていても諦めきれない受けは、家族の反対を押し切って攻めを追って東京に出る。だが奇跡のような再会まで更に2年の日々が必要だった。そして、やっと会えた攻めは黒いスーツに身を固め、無表情に仕事をこなし、議員秘書として野心のままにエリート街道を突き進んでいた…。 再会して、攻めが受けに癒されて人間さしさを取り戻していくところも良かったし、健気にひたすら攻めを慕い続ける受けの可愛さにはうるっときます。ラストのHシーンでは攻めの想いの強さに、受けが「愛」を身体で知っていくところも良かったです。 キャラ設定にデリケートな部分があるものの、私的には受けの純真さに心を打たれ、痛々しいほどの健気さに泣かされ、攻めが受けに焦がれるあまりに悩み、苦しむシーンも共感できたので「困難の多い恋が実ったラブスト」として感動が残りました。 全体としては作者の手腕が発揮された良作BLだと思います。興味のある方はぜひどうぞ。