面白いことは面白いが・・・

子供(と大人)に質の高い書物を楽しんでもらうための最大限の配慮がなされていますが、この作品に関しては、イタリアの平均的国民像(それも数十年前の経済が低迷していた頃の)が分かっていないと、プロットを追って楽しむことはできても、その裏にある風刺や哀しみを理解することは難しいのではないかと思います。したがって、子供よりも大人向け。 翻訳が、21世紀風であることに若干の違和感を覚えます。若い読者に親しみをもってもらうことが最優先課題なので、やむを得ないのですが・・・。イタリア映画の黄金期に出てきたような庶民の可笑しくも哀しい暮らしを描いた本作品としては、ちょっと時代の独特の匂いが薄いかな、と。