皆さん高評価をつけておいでなので、粗探しをするのは気が引けるのですが、ボーイ・ソプラノの独唱のPie Jesuに、かつてこの曲を歌ったことがある者としては違和感を覚えます。というのも、この子が音楽的にも宗教的にも区切ることが好ましくないところで頻繁に息継ぎをするからです(例:Domine=主、という大事な単語でもブレスが入ってしまいます)。アレッド・ジョーンズ(録音当時16歳)の非の打ち所がない名演を普段聴いているので、こっちの子は「一生懸命、心をこめて歌ってはいるんだけれど、あちこちに息継ぎが入るのが勿体無いなー」と感じました。 楽器もやや押し出しガ弱いように思います。Agnus Deiの冒頭ではもう少し高揚感がほしいです。
このシリーズ、途中からまともな映像に変えたのに、よりによって「白鳥の湖」やザハーロワ主演の「ライモンダ」「ドン・キホーテ」はみすぼらしいカメラワークと画面比率。発表会を撮っているお父さんにも負けそうなカメラです。 ただ、日本人が主要キャストを務めている映像は少ないし、この「白鳥の湖」では、殆どの公演ではカットされる「ロシアの花嫁候補の踊り」が見られるので、そういう意味では手元にあってもいいかなと思います。
この舞台は本当は壮麗なのに(収録日とは別の日に劇場で観ていました)、素人のホームカメラような撮影です。画面比率やカメラワークの拙さはまだ良いですが、照明の色があまりに青白すぎて出演者がぼやけて見えるというのは酷い。それではソ連時代の映像とどっこいどっこいです。とはいえ、いま市販されている「ライモンダ」の映像はどれも画質が良くないのです。ザハロワとマトヴィエンコをはじめ主要出演者の踊りはもちろん素晴らしいです。テキスト部分については、演目の解説には新鮮味はないものの、衣装や舞台美術についてはコンパクトながらも面白い情報が詰まっています(衣装の先生のインタビューが読み応え、見ごたえたっぷりで、舞台はいろんな人が力をあわせて作るものだということが良く分かります)。 それにしても、こういった特典映像(ザハロワのインタビューを含む)が綺麗に撮れるのなら、なぜ本番のステージをちゃんと撮らないのかと少し腹立たしくなります。このシリーズの後発作品では映像の問題が改善されていますが、よりによってザハロワ主演作が、しかも既存の映像の少ないライモンダがこれでは…最新鋭の機器と劇場の意味がありません。
近いうちにダブリンを訪れたいと思っており(本当はゴールデンウィークに行くはずが、火山灰の心配と体調不良のためキャンセル)、現地ゆかりの作品をいろいろと読んでいるところです。ジョイスは初めてですが、いまひとつよく分かりません。ビジュアルとして浮かんでこないのです。子供や中年女性の視点から書かれているものは割りとすんなりと頭に入ってくるのですが(著者のジョイス、訳者の柳瀬氏、読者の渡しの3人とも中年男性であることを考えると面白いですね)、男性が主人公のものはプロットやせりふすら追いかけるのが大変。上流気取りの女性が、ピアノの上手な娘を社交界の花形にするためにキリキリする話が面白かったです。
インドとロシアのものは素晴らしかったですが、これは手放しで誉める気にはなれません。訳者が英語圏の児童文学を日本に紹介することの先駆者であり権威であるがため、元の民話や再話者よりも訳者の存在感が強くなっているのが不満の理由その1。地方訛の訳に、東北弁や江戸の下町言葉を混ぜたような「方言」を使っていることにも古臭さと違和感を覚えます(いわゆる標準語の容認発音の英語とそれ以外を日本語に置き換える良い代案はいまだに見つかっていないようですが)。理由その2は、ひらがなが多用され漢字の使用基準が明確でないため、大人の私が読むとストレスが大きいこと。語感や音感を優先していると分かる部分もありますが、低学年で学ぶ簡単な字がひらがなで、それなりに難しい字が漢字。ルビ振りのルールもいまひとつ不明瞭。前半に収録されているのは、起承転結がある物語というよりも歌のような面白みのある詩が多く、その点でも子供よりは大人でこの手のものが好きな人向けではないかと思います。とにかく私は、どのページをめくってもそこに石井桃子がいることが嫌でした(ただ、図書としてはきわめて良心的ですので最低でも星3つには値すると思います)。
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皆さん高評価をつけておいでなので、粗探しをするのは気が引けるのですが、ボーイ・ソプラノの独唱のPie Jesuに、かつてこの曲を歌ったことがある者としては違和感を覚えます。というのも、この子が音楽的にも宗教的にも区切ることが好ましくないところで頻繁に息継ぎをするからです(例:Domine=主、という大事な単語でもブレスが入ってしまいます)。アレッド・ジョーンズ(録音当時16歳)の非の打ち所がない名演を普段聴いているので、こっちの子は「一生懸命、心をこめて歌ってはいるんだけれど、あちこちに息継ぎが入るのが勿体無いなー」と感じました。 楽器もやや押し出しガ弱いように思います。Agnus Deiの冒頭ではもう少し高揚感がほしいです。
バレエ名作物語(vol.1)
このシリーズ、途中からまともな映像に変えたのに、よりによって「白鳥の湖」やザハーロワ主演の「ライモンダ」「ドン・キホーテ」はみすぼらしいカメラワークと画面比率。発表会を撮っているお父さんにも負けそうなカメラです。 ただ、日本人が主要キャストを務めている映像は少ないし、この「白鳥の湖」では、殆どの公演ではカットされる「ロシアの花嫁候補の踊り」が見られるので、そういう意味では手元にあってもいいかなと思います。
バレエ名作物語(vol.2)
この舞台は本当は壮麗なのに(収録日とは別の日に劇場で観ていました)、素人のホームカメラような撮影です。画面比率やカメラワークの拙さはまだ良いですが、照明の色があまりに青白すぎて出演者がぼやけて見えるというのは酷い。それではソ連時代の映像とどっこいどっこいです。とはいえ、いま市販されている「ライモンダ」の映像はどれも画質が良くないのです。ザハロワとマトヴィエンコをはじめ主要出演者の踊りはもちろん素晴らしいです。テキスト部分については、演目の解説には新鮮味はないものの、衣装や舞台美術についてはコンパクトながらも面白い情報が詰まっています(衣装の先生のインタビューが読み応え、見ごたえたっぷりで、舞台はいろんな人が力をあわせて作るものだということが良く分かります)。 それにしても、こういった特典映像(ザハロワのインタビューを含む)が綺麗に撮れるのなら、なぜ本番のステージをちゃんと撮らないのかと少し腹立たしくなります。このシリーズの後発作品では映像の問題が改善されていますが、よりによってザハロワ主演作が、しかも既存の映像の少ないライモンダがこれでは…最新鋭の機器と劇場の意味がありません。
ダブリナーズ
近いうちにダブリンを訪れたいと思っており(本当はゴールデンウィークに行くはずが、火山灰の心配と体調不良のためキャンセル)、現地ゆかりの作品をいろいろと読んでいるところです。ジョイスは初めてですが、いまひとつよく分かりません。ビジュアルとして浮かんでこないのです。子供や中年女性の視点から書かれているものは割りとすんなりと頭に入ってくるのですが(著者のジョイス、訳者の柳瀬氏、読者の渡しの3人とも中年男性であることを考えると面白いですね)、男性が主人公のものはプロットやせりふすら追いかけるのが大変。上流気取りの女性が、ピアノの上手な娘を社交界の花形にするためにキリキリする話が面白かったです。
イギリスとアイルランドの昔話
インドとロシアのものは素晴らしかったですが、これは手放しで誉める気にはなれません。訳者が英語圏の児童文学を日本に紹介することの先駆者であり権威であるがため、元の民話や再話者よりも訳者の存在感が強くなっているのが不満の理由その1。地方訛の訳に、東北弁や江戸の下町言葉を混ぜたような「方言」を使っていることにも古臭さと違和感を覚えます(いわゆる標準語の容認発音の英語とそれ以外を日本語に置き換える良い代案はいまだに見つかっていないようですが)。理由その2は、ひらがなが多用され漢字の使用基準が明確でないため、大人の私が読むとストレスが大きいこと。語感や音感を優先していると分かる部分もありますが、低学年で学ぶ簡単な字がひらがなで、それなりに難しい字が漢字。ルビ振りのルールもいまひとつ不明瞭。前半に収録されているのは、起承転結がある物語というよりも歌のような面白みのある詩が多く、その点でも子供よりは大人でこの手のものが好きな人向けではないかと思います。とにかく私は、どのページをめくってもそこに石井桃子がいることが嫌でした(ただ、図書としてはきわめて良心的ですので最低でも星3つには値すると思います)。