『三国志』(もちろん史書の方)の研究者による「倭人伝」の著者陳寿のバイアスをふまえた史料批判の書。 陳寿が辺境国である倭を呉の後背に想定したために倭の風俗が南方系として描かれたこと、卑弥呼の「親魏倭王」の称号と同様に「親魏大月氏王」の称号を得た大月氏国と倭が対になるように距離が操作されているなど、「倭人伝」には倭への使者の報告書に基づく事実と、著者陳寿の観念的な倭の理解が混在していることを指摘しました。 なかなかに面白く読みましたが、決定打になりえるのはやはり文献ではなく考古学という印象が強まりました。