時代の台詞

江戸時代。蘭医を目指す女性・おいちが謎解きに挑戦するシリーズ6作目。大店で食中りが発生。が、どうやら毒が仕込まれたらしい。さらに店の主が蔵の中で崩れてきた荷物により意識不明……読みやすい文体で、さほど難しいミステリではないが楽しませる。野球小説「バッテリー」で、あさのあつこ氏のファンになったが時代物は初めて。敢えて難を言えば台詞。「嬉しいです」「小さいです」など、形容詞に「です」を付ける物言いは、江戸時代には使われていまい。また「滅相もありません」も日本語としては間違い。「滅相もない」が一つの文節であり、正しく表現するなら「滅相もないことです」だろう。プロの作家なら正しい日本語を。ミステリだけでなく、冤罪、ジェンダーまで取り上げている姿勢は評価。