正統派

タイトルに「英国屋敷」とあったためか、舞台がインドであることは意識していたものの、インド人作家によるインド人の名探偵ミステリーであるとはなかなか気づかなかった。舞台であるインドらしさを強調した記述が少ない印象もインド生まれのインド人作家の作品となれば納得だ。 それにしても全編に漂うのは、正統派ミステリーの香気である。古典名作を思わせる重厚感の源は招かれたアスレヤや館の主人であるバスカーのしっかりと骨のある人物像によるところも大きいだろう。 ミステリー好きなら読むべき一作である。 続編の邦訳を心待ちにしている。