読み応えあり。林養賢が金閣に火をつけた「動機」についてこれほど肉薄した著作をほかに知らない。精神医学の専門家としての筆者の真骨頂と言うべきか。三島のナルシシズムに対する考察もさすが。言語空間に対する「華麗な伽藍」という表現は言い得て妙である。三島ファンなら必読だが、三島をよく知らない方でも充分に引き込まれる内容であると思う。