話としてはまあまあわかりやすい

訳語としての「虐待」の原語「abuse」の意味を出発点に子ども虐待の本質(養育者等による子どもの不当利用)を定義し(主に第1章)、それをもとに虐待する親の心理(親自身の不足や自己肯定観の低さなどに起因する子どもの不当利用、それを考えた際の性的虐待の意味やDVとの関連)を説き(主に第2・3・4章)、そして子ども虐待の影響やその補償要素(「トラウマ」、「アタッチメント」概念)を述べた(第5・6章)後で、被害児への治療的かかわりについての著者の考えと実践(第7章)で本書が結ばれている。エピローグで、社会の認識不足を問うているが、なぜ社会が子ども虐待防止や被害児への補償のコストを負担しなければならないのかという議論が(本書のテーマを逸脱するので別書で)必要に思われた。