前巻からの続きで恒貞親王と舎人・伴健岑が再会を果たす話。史実では貞観7年(865年)配流先の隠岐国司から、恩赦によって放免された健岑を平安京に戻す旨の報告が右京職になされるが、対処は誤りであったらしく、改めて勅により出雲国へ遷配となっている。この奇妙な命令の行き違いに、業平と道真が一役買ったことになっている。後に道真も謀反人として大宰府に流されることを思うと、若き日の彼が健岑を助けるのも何だか運命めいている。後の道真にとって絆を結ぶ相手が現れた時、この時の事を思い出すのではないか。