旅は2年8か月後の宮城県、使われなくなった山下駅のプラットホームから続く。そして3年後、なんと故郷・銚子が出てきてびっくりした。海鹿島(あしかじま)海岸の海水プールは、私の父母の世代には現役で使われていたらしい。再び旅は続き、東北再訪。まだ震災の爪痕が残る風景。少しずつ復興を遂げる風景。彼(雄鶏)は未だ妻と会えない。本書の最後は東海村。続く特別書き下ろしの「小さな世界」は、擬人化で原子核の壊変を描く。原子炉が被災したこの震災の象徴でもある放射能の科学的な一面であるだけに、少し複雑な思いで読了。