解けないのか?

著者の浅田秀樹さんは、一般相対性理論、重力理論、理論宇宙物理学を専門とする弘前大学大学院の教授だ。 月は地球の周りを公転しており、その軌道は明らかにはなっているものの、ある時間における正確な位置を計算で求めることができない。これは、月の軌道に地球と太陽の重力が影響しているからである。 月=地球=太陽のように、3つの天体の運動を一般化することを「三体問題」と呼び、天文学・物理学・数学の未解決問題として、数世紀にわたって多くの学者の挑戦をはねのけてきた。20世紀に入り、一般相対性理論が解法をさらに困難にする一方、コンピュータの急速な進化が新たな解法を提供する。 同世代である浅田さんが、あとがきに「筆者が理学部学生だったときに講談社のブルーバックスを楽しく読み漁った人間として、今こうしてその1冊を自分で執筆できることにとても感激しています」(248ページ)と書いた気持ちは、とてもよく理解できる。