平安京が開かれたことを京都の起源というように考えるのが普通であろう。が、「京都」と聞いて思い浮かべるような有名な場所の中には、平安京の範囲を少し外れている場所が多く在るのである。 そこで本書では敢えて“「京都」”という標記を用いながら、「変貌して行った平安京」という経過を説こうとしている。それがなかなかに面白かった。 平安京の治安が悪化する中で、武士が登場するようになり、やがて摂関政治が行き詰って院政になって行く中、「保元・平治の乱」で平安京は戦が展開する“戦場”にもなって行ってしまう。 こういう流れが続いていた中、院政の時代には平安京の範囲の外がドンドンと開発された。かの清盛の時代にピークを迎える、隆盛を誇った平家も平安京の範囲の外を開発する動きに積極的に関与している。 本書では、そういう平安京が「京都」という様相になって行く経過に関して、その間の歴史の少し詳しい解説や、開発された場所が現在のどの辺りに相当するのかということも一部加えて語られている。かなり面白い! 偶々、少し前に京都の色々な場所を少し動き回る機会を設けることが叶ったという経過も在ったので、「あの辺り?」と思い出すことも多かったので、本書の内容が益々愉しかった。 こういう、永い経過を有している地域の変遷に光を当てるような内容は、非常に興味深い。