作中全体に、ブロードウェイ愛を感じます

中野ブロードウェイと言えば、日用品や食料品が一通りまかなえる商店街と、まんだらけに代表されるディープな店舗群、屋上プール付き分譲マンションが一つの建物に同居した、全国的に知られたサブカルの聖地であります。 こちらの本は、その中野ブロードウェイにある分譲マンションの住人でもある作者が、中野ブロードウェイの成り立ち、ブロードウェイ開業当時から続く店の主人、まんだらけの開店と館内での増殖、マンガ・小説での登場、竣工半世紀以上経つが故の老朽化問題など、中野ブロードウェイのまさに物語を書き連ねております。 ライターである作者は、仕事で必要な資料があると、階下に行ってまんだらけ等に顔を出すのが習慣となっていて、「階下に自分専用の書庫を持っている」ような感覚となっていた、と書いています。これを私的に表現すると、値段さえ気にしなければ、あらゆる趣味の資料やグッズが、下へ行くだけで見つかるという事ですよね。これがどれだけ魅力であるか、何かの分野にのめり込んだ経験のある方なら理解できる事でしょう。 これ以外にも、ブロードウェイの現役住人である著名人のインタビューや、元住人だった人の話なども書いてありますが、それらを含めて作中全体にブロードウェイ愛が感じられます。まあ、そうでなければ中野ブロードウェイが題材でも300ページ近くもある本は書けませんよね。