著者の個人的な興味を含めて“問題意識”が起こる理由というような事、または着目してみたい事が提示され、事案が整理されて行って、それに基づいて観察や分析を試みた幾つかの事例、事例の観察を通じて類型を設定する等の「課題や着目点の一般化」を試みるというような、「解り易い流れ」が確りと存在している。だから「読み易い」というような仕上がりだと思った。「なるほど…そういうことか…」とドンドンと頁を繰ることが出来る。または頁を繰る手が停め悪くなる訳である。 結局のところ、「<定住人口>が簡単に増えるのでもない。寧ろ減る方向…」という状況下、本書で<関係人口>を論じる事例とした各地域に在っても、<定住人口>は別段に増えた訳でも何でもない。「<定住人口>が簡単に増えるのでもない。寧ろ減る方向…」という状況下、数で明示される「人口」という「量」でもなく、抽象的な表現かもしれないが「地域の人達がより心豊かに、地域の主役を自認して暮らす地域へ」という「質」が「追い求められるべき何か…」というのが本書の論旨でもあると思う。 「学位論文を基礎にして書籍として整理」という“生い立ち”の本書だが、「素人」は知らない、解らないというような何事かを細々と論じているのでもない。「素人」という以上でも以下でもない「とある街で各々の人生を生きている人達」の、「或る街での暮らしの在り方が如何なる?如何する?」という論が本書なのだ。広く御薦めしたい。否、御薦め「しなければならない」とも思った。