キャラのゴリ押し

シリーズ物の倒叙ミステリーは小説に向いていないのではないかと思い始めている。 なぜなら事件そのものは明示されているので、探偵役のキャラクターが肝になってくるからだ。映像ならコロンボや古畑など、愛すべきキャラクター像を描けるが、小説は文章だけなので難しい。キャラを立てようとすればするほど押しつけがましくなり、滑ってしまう。シリーズ物の倒叙ミステリーがつまらないのは、ここに原因がある。 この乙姫警部も例に漏れず、失敗している。登場するたび、地獄の・・・とか喩えているが、イマイチそのイメージもピンとこないし、いちいち描写されるのがくどすぎる。作者だけが面白がっているようだ。 事件も1つ目と2つ目は衝動殺人だし、3つ目も4つ目も犯行の段階から粗だらけで不自然なので、べつに乙姫警部じゃなくても普通の捜査で逮捕できるのではないだろうか。 おもしろければ前作も買おうと思っていたが、当然やめた。