内容が、書名やカバーの解説とズレているように感じる。書名やカバー解説からは、「儒教・仏教・道教の三教が、いかに混じり得たのか」との視点を期待していた。だが実際には、この視点が非常に薄かった。 また、キリスト教圏の西洋人に東アジア、特に日本の宗教観を説明するには、どうすれば良いのか? の視点も持ってほしかった。儒教・仏教相互間に比べると、道教と儒教・仏教との関係は薄かったように感じる。儒教・仏教・道教の儀礼も、「先祖祭祀」以外はほとんど書いていない。三教の宗教施設の構造、聖職者、祭壇の設えや拝礼作法、年中行事にも踏み込んでほしかった。 多角的な視点が重要とするわりに、征服者である「仏教」「天女」の視点が主体だった。「天女の章」は、みんな同じが大好き島国!」でシメていた。これは「天女」の視点であり、「被征服者(先住民)・日本人」の視点が抜けている。「西洋」=「個人主義」=「正義」、「日本」=「同質性」=「悪」のステレオタイプ。なぜ日本ではみんな同じが好まれ、そうなったのかに踏み込んでいない。