会社・人物名は仮名

映画はいきなり2011年3月11日、東北太平洋沖大地震に伴う大津波が福島第1原発を襲うところから始まる。原作は門田隆将の「死の淵を見た男」、当然主役は 吉田昌郎所長だが、驚くべきことにこの映画では吉田所長以外の人物は全て仮名で、福島第1原発の所管の電力会社でさえ東京電力ではなく東都電力とされている。また、当時の首相が現地に赴く有名(迷惑)なエピソードも描かれるが、菅直人の名前は(劇中で)呼ばれることなく、単なる首相・総理である。こういうところに日本映画界の駄目さが表れている。こんな誰でも知っている事実を映画化しているのに、訴えやクレームを恐れてフィクション扱いし腰が引けている。アメリカ映画だったら、間違いなく忖度せず全て実名で描いているはずである。 頑張ったのは認めるもののFukushima 50 を英雄扱いするのもどうかと思うが、こういうことが行われていたのかと、視覚的にみられるのは映画の醍醐味で、内容的には面白い。