加門流風水入門講座

風水――それは、環境を利用して繁栄を図る、技術であり呪術。 基本であり基礎である地理風水から始まり、見立て――類感呪術としての風水、そしてそれらを総合しての、風水をフィルターにした日本社会の未来予想は――。 探検でも探求でもなく、探見――風水と人間との関係を深く見つめてみた、加門流風水入門講座。 ---------------------------------------------------------------------------- 基本的な基礎を主軸に、歴史や民俗学まで絡めて風水を講義するため、現世利益を即得られるような実用的な手段を求めるような人には向かない。なぜなら、風水の本質は、それこそ風や水のように盛者必衰万物流転、一時は繁栄や利益を得られるかもしれないが、後の周囲の環境の変化――災害から雑多な工事まで――に左右される程に脆弱なものだから。だからあとがきにもある通り、小難しい部分はさておいて、楽しく面白く興味深い部分を共有して楽しむのが、本書の読み方なのだろう。 実際、番外編(おまけ)の吉風水の真逆、凶風水の全てを盛り込んだ最凶の凶宅を妄想する回は悪ノリ全開で面白怖い。3D化して内覧できるようにしたら、はたしてどうなるのか――。 本書から少し外れるが、加門さんを含む、地理風水に知見を持つ人が総じて、「湾岸の埋め立てやアクアラインやスカイツリーなど、風水とか何も考えずに色々建造する現代日本の現状」を憂いている点が興味深い。周囲の環境の変化に合わせてその地の吉凶も変化する技術だし、そもそも迷信の類だと言われればその通りなのだが、その建造物が東京を、そして日本の運気を落とし続けていると指摘されると、いい気はしないものではある。