リー・イン・カーネイション裁判開廷

ロバート・ワイズ監督と言えば、一般的には「ウエスト・サイド物語」、「サウンド・オブ・ミュージック」の人で、ミュージカル映画の巨匠と思われているかもしれないが、ミュージカル映画はそれほど多くはなく(他に「スター!」くらいか)、作品のジャンルは実に幅広く多彩。SF(「スタートレック」、「アンドロメダ…」等)、戦争物(「深く静かに潜航せよ」、「砲艦サンパブロ」)、メロドラマ(「ふたり」)や人間ドラマ(「罠」、「傷だらけの栄光」、「私は死にたくない」)、そして、この作品のようなホラー映画は、デビュー作が「キャット・ピープルの呪い」(1944)であり、「たたり」(1963)もある。 マーシャ・メイソンの娘を、自分の娘オードリー・ローズの生まれ変わりと信じるアンソニー・ホプキンスは、その娘を誘拐したとして裁判にかけられる。リー・イン・カーネイション(輪廻転生)をテーマに大真面目に裁判が行われる。当然マスコミの注目の的となり、インドの大僧正が出て来て証言したりする。そして、催眠術によって生まれる前にまで遡りオードリー・ローズの記憶を引き出す。しかし、ここでの出来事は裁判の証拠として採用されるのか。しかも、結果的にこの催眠中にその娘は狂乱状態となり、死んでしまう。アンソニー・ホプキンスは「魂は救われた」みたいなことを言うが、両親は納得できるのか。その女の子もこんな騒ぎに巻き込まれなければ、普通に生活できただろうし、現実の裁判だとしたら、当事者が亡くなる事態となったら大問題だろう。そんなことを非現実のホラー映画に言っても仕様がないか。 アンソニー・ホプキンスはまだ若く、後年のレクター博士のような貫録、オーラはない。