冴えないやくざ映画

この映画のスクリーンサイズは、前半がシネマスコープで、後半(14年後)はヨーロピアンビスタにして故意に画面を狭くしている。監督の意図は明らかで、前半は広々と世の中を風を切って歩いていたやくざも、14年後暴対法等の影響で世間は反社会的組織への目が厳しくなり、肩身を狭くして生きていることの象徴だろう。本当に現代のやくざがこのような生活をしているかどうかは分からないが、14年後の皆の不幸は、台詞にもある通り、出所してきたやくざの綾野剛に関わってしまったことだ。 しかし、1960年代やくざ映画の全盛時代、高倉健、鶴田浩二、菅原文太、渡哲也たちは粋でいなせな格好良いやくざを演じて、観客を熱狂させたものだ。現代ではやくざ礼賛と反社会的映画の烙印を押されて、絶対に作れないであろう。あのやくざ映画の全盛時代を知っている者からすれば、隔世の感があり実に寂しい限りだ。映画は反社会的で良いのである。