破天荒な作家たち

この映画の中でイチャイチャしている寺島しのぶと豊川悦司を見ていると、どうしてもモデルとなっている瀬戸内晴美と井上光晴を思い浮かべてしまい、現実の二人も実際にこんなことをやっていたのかと思うと笑ってしまう。物語の最初の頃の背景となっているのは昭和40年代だが、広く昭和時代は作家のみならず、芸能人や政財界のお偉いさんたちが不倫(浮気)をするのは当たり前で、誰も咎めるようなことはしなかった時代だ。寧ろ自ら愛人何人、隠し子がいることも隠さず公言する人もいたくらいだ。このような時代だったので、現実の瀬戸内晴美と井上光晴の関係も(多分)公然たるものだったのだろう。今だったら不倫は一発アウトだが、この頃は週刊誌等でスキャンダルになることも、仕事を干されることもなく、奥さんも表面上は仕方がないと(作家の妻故)諦めていたのだろう。 後年の瀬戸内寂聴は女性には特に人気者で、人生相談等でアドバイスをしていたが、そこに至る前の過去の瀬戸内晴美は現代の視点で見れば、完全にアウトな人で私生活はかなり破天荒だった。もちろん、井上光晴も彼女以上に破天荒な人だった。こんな破天荒な人生を描いたのは、脚本・荒井晴彦、監督・廣木隆一のコンビ。彼らにとっては、自家薬籠中の物語か。