・「ラクダの生態」「ラクダに支えられた暮らし」が半々。「暮らし」には物足りぬ部分も多い。「文庫版あとがき」で、本書の続編『ラクダの跡』の目次詳細を記し、著者はこのように書いている。 「初版の「おわりに」に記したように、ラクダへの積み残しの内容が多くなってしまった。この本を出版以降、折に触れラクダ文化の深層を追求し、そうした積み残しの内容を調べ吟味してきた。そして定年退職後の、二〇一五年一月に『ラクダの跡――アラブ基礎文化を求めて』を第三書館から出版した。本書『ラクダの文化史』の「おわりに」で触れた「積み残し」多くが言及されている」 故に、本書の続編『ラクダの跡』を法蔵館文庫で再刊できぬか。『ラクダの跡』のほうが「暮らし」には詳しそうだが、入手困難なのが残念。特に、『ラクダの跡』「第6章 ラクダで旅する――旅は連れだちラクダに乗って」は、節名を見るだけで、旅行史好きには大いに食指を動かされる。『ラクダの跡』と、本書は「車の両輪」のよう関係と拝察。『ラクダの文化誌』だけでは、片落ち感は否めない。 ・言語からも「ラクダとアラブ」を描こうとしていたのだろう。が、ラクダ関係のアラビア語の解説が多過ぎる。もう少し少なければ他の部分の理解に労力を使えた。 ・アラビア半島およびその周辺部の地図を付けてほしかった。地理には疎いほうではないが、馴染みのない地名を連呼されてもよく分からない。 ・アラブはラクダあっての地域との印象。