橋本忍らしい反社映画

脚本は黒澤明監督作品の常連で、後に「砂の器」や「八甲田山」を執筆する(製作も)巨匠橋本忍。他のスタッフも企画大塚和、撮影山崎善弘、美術松山崇、録音橋本文雄、音楽黛敏郎と当時の日活映画の超一流どころが揃っている。 キャストは、葉山良二、南田洋子は日活専属俳優だが、脇を固めるのが主に「民藝」の俳優で、二大巨頭の滝沢修、宇野重吉の競演は見所のひとつ。民藝からは吉行和子、嵯峨善兵、佐野浅夫、山内明、下条正巳、芦田伸介、浜村純、三崎千恵子(「男はつらいよ」のおばちゃんだ)等が出演、その他小沢昭一、安部徹も出ている。滝沢は何時ものインテリ臭を捨てて、地元を牛耳る下卑たやくざ役(市会議員も兼ねていて、昭和時代は普通にこういう人居たんだよね)、本当にそう見えるからさすがだ。宇野の方はいつも通りの貧しいが善人の医師役だが、ラストに驚くべき展開が…という役どころ。双方に華を持たせている。