東野圭吾 part3

たまたま去年夏に文庫最新刊の『夢幻花』が書店で平積みされていたのを見たのをきっかけに東野圭吾デビュー、遅すぎて笑われるかもしれませんが読み始めています。 3冊目として、11年前にテレビドラマ化、6年前に映画化されたあまりにも有名な『白夜行』を読みました。もちろんタイトルはなんとなく知っていましたが私の場合、内容は何も知らないさらの状態でしたので新鮮な気持ちで読むことができました。 最初に『夢幻花』を読んでも思ったのですが、複雑かつ精緻な構成は東野圭吾の特徴でもあり、秀逸ですね。テレビ、映画両方で映像化されていることからも明らかですが傑作だと思います。 ただ非常に重く暗い作品です。描写スタイルも独特でほとんど二人の主人公目線の直接描写(心情描写)がなく、真相はほぼ推定できますが、最後も曖昧なまま結ばれ、ジエンドです。長編の結末にしてはあまりにあっけなかったです。 大阪で起きた質屋殺しから、その後19年間に発生する不可解な事件とともに、多彩な登場人物、複雑な構成で、二人の主人公の幼少期のトラウマに端を発した悲劇が描かれています。 読後、何ともいえない不安(定)感、虚無感といった余韻が残りました。主人公の心理描写を極力排した独特なスタイルが効果的で見事なのでより際立つのだと思います。 最初の事件発生が1973年と古い設定なので若い人にはしっくりこないところもあるかもしれませんが私は主人公と同世代なので、IT事情等世情が懐かしく感じられるところもありました。 連載短編を長編(文庫本で854頁)に構成しなおして刊行されたそうですが作者の見事な構成力に改めて脱帽です。 改変部分もあるそうで原作には及ばないと思いますが機会があればCD等で映像化されたものも見てみたいと思いました。