引き続き司馬遼太郎

項羽と劉邦につづき、これも前から気になっていた本で、あまりにも有名で、NHKでドラマ化もされた司馬作品ですが、今さらながら読み始めました。 三巻の真ん中あたりまで読んだところでこのレビューを書いています。 その三巻の最初あたりに作者がこの小説をこの先どう書こうか思案していると書かれていて、この段階ではまだ構想が手探り状態であったことがうかがえます。 明治時代の同郷の伊予松山の三人の若者、陸軍の兄好古、海軍の弟真之の、後に日露戦争で大活躍することになる秋山兄弟、俳人の正岡子規にスポットを当てた幕末から日清、日露へと流れていく時代を描いた歴史小説です。早逝する正岡子規は三巻のはじめのあたりで亡くなってしまいます。その後は三人の若者の人物描写より、司馬氏の歴史観に基づいた歴史書の色彩が濃い小説だなと感じています。 これほど日清、特に日露戦争をクローズアップした小説だとはタイトルだけを知っていたイメージからは思っていませんでした。 一巻は導入部で、三人の青年時代、秋山兄弟がともに軍学校に進んでいったところあたりまでが描かれています。 司馬氏の歴史観(歴史解釈)には賛否両論があるようですが、あまり近代の歴史物を読んだことのなかった私にとっては、知らなかったことも多く、歴史が深堀されていて参考になります。