重厚

戦国時代。天正六年。織田信長に叛旗をひるがえした荒木攝津守村重が主人公。有岡城で籠城を続ける武将の周りで難事件が起きる。人質の幼い武士が殺されたり、夜討ちをかけたものの敵将の首が誰か判らなかったり……。そのたびに村重は、土牢に閉じ込めている黒田勘兵衛にさりげなく知恵を借り、解決に導く。東川篤司の「謎解きはディナーのあとで」に発想は似ているが、無論、歴史小説であり重厚さも違う。伊集院静氏の「いとまの雪」を読んだ直後だが、台詞にも時代の重みがあって素晴らしい出来。