どんでん返し

取引先の副社長令嬢とともに狂言誘拐を実行する主人公。身代金も首尾よく奪って副社長の鼻を明かしたかと思えたが実は‥ 「良い人のでてこない小説を書きたかった」そうだが、なるほど、「良い人」はひとりもでてこない。計画に則した人生を歩み、女性ともドライな関係しか築かない主人公。無駄を嫌い、取引先の担当者に恥をかかせることなどなんとも思わない副社長。殺人を犯しても「パパとママがなんとかしてくれる」令嬢。これでは特定の人物に感情移入して読むことはできない。ただ、そのおかげで客観的に物語を追うことができる。私は登場人物にどっぷり感情移入して読むことが多いので、こういうスタイルは新鮮だった。